藤井聡太が将棋ソフトで強くなったというウソ
先日、ホリエモンの本を読んでいたら「藤井聡太はAIで強くなった」みたいな事が書かれていて、「あーあまたこれか」と思いました。
ウソではないのですが、事実でもないという感じですね。
藤井聡太は「詰将棋」で強くなった
藤井七段は序盤・中盤・終盤とすべてが強いといわれます。
序・中盤の強さはもちろんソフト研究による影響が大きいでしょうが、今やソフト研究をしていない棋士はほとんどいません。
序・中盤よりも、藤井七段の恐ろしさは「寄せ」といわれる最後の玉の詰ませ方です。プロ棋士ともなれば、20手から30手先まで読むと言われていますが、その読みの正確さと深さが尋常ではないのです。
有名な藤井七段の寄せがあります。
当時の最強ソフトでも、すぐにはこの手を最善手(最も良い手)と表示しなかったと言われているので、部分的に藤井七段はソフトを越えていたと考えられるでしょう。
ではなぜ、藤井7段の終盤はこれほどまでに強いのか。
天才であることは言うまでもありませんが、やはり指導が良かったらしく、「道場で詰将棋を徹底的に学んだ」という内容の番組をテレビで見ました。
詰将棋解答選手権で新記録の5連覇を成し遂げるほどの実力です。
ソフト研究はほとんどの棋士がやっている
最初に書きましたが、ソフト研究をしていないプロ棋士は今では稀でしょう。橋本八段のように将棋ソフトを嫌っている一部の棋士、高齢でパソコンに不慣れで導入が遅れたベテランを除けば、程度の差はあれ研究に取り入れている。
千田七段などは、「人間の棋譜とかをたくさん学習してしまうと、悪い感覚が身につきます」とまで仰っています。
強くなるまでに人間の棋譜とかをたくさん学習してしまうと、悪い感覚が身につきます。人間っぽい悪い手というのが混じっているからです。今後は初期の段階から自分の頭だけで考えてある程度までいって、あとは他人の棋譜は参考にせず、ソフトに置き換えた方がいいんですかね。ソフトだけでいけるのであればそれが好ましいかなと。棋譜並べの題材としてはソフトの方がいいと思います。
藤井七段は最高のパソコンで将棋ソフトを使って研究していたと思われていますが、騒がれ始めた中学生のときなどは、居間の家族共用パソコンで限られた時間で研究していたそうです。
しかも、興味のある事柄や趣味が豊富で、気象(天気)から原発問題までかなりお詳しいようで、将棋の勉強だけというわけでもないようです。
最高のパソコンとあり余る時間で研究していたプロ棋士は大勢いるわけで、「藤井七段が将棋ソフトで強くなった」と聞くと、結論が先にあるのでは?と疑いたくなります。